6月27日に開催されたSBIホールディングスの株主総会&経営近況報告会に参加してきました。
その内容をレポートします。
株主総会 10:00~10:30
- 会場
- オークラ東京でした。溜池山王駅から徒歩10分ほど。
- 参加者について
- ざっと300~400人ほど。先日参加したインフォメーションミーティングと比較すると、半分もいなかったように感じました。同じ平日開催ですが、午前中だったからでしょうか。
- 男女比は8:2程度でした。インフォメーションミーティングよりも僅かに女性が多かった印象です。
- 年齢層は50代以上が8割ほど。自分と同じくらいの年齢層(20~30代)は1人も見かけなかったです。
- 著名な社外取締役
- おみやげ
- インフォメーションミーティング同様に、今回も書籍のおみやげがありました。
株主総会自体はスムーズに進行して30分ほどで終了しました。
経営近況報告会 10:40~13:25
10分ほど休憩を挟んで経営近況報告会が始まりました。
質疑応答含めて約2時間45分、北尾会長はほぼ喋りっぱなしでした。
前半は7月8日で設立25周年になることを記念して設立からの歩み、後半は今後の経営方針・事業戦略の話でした。
前半の内容はさながら日本の金融サービス史の講義です。大学で授業を受けているような感覚でした。
SBIの歴史は、日本の金融サービスの大衆化の歴史とも言えます。大衆化のために規制や業界慣習を打破してきたSBIの今まで・現在・これからを以下にまとめます。
SBI設立当時(1999年)の状況
設立当時は以下のような状況でした。
- 日本の投資家は高所得者に限定されており、証券投資の大衆化は欧米に比して遅れていた
- 米国では1974年にIRA(退職後資金積立制度)、英国では1999年にISA(個人貯蓄口座)が創設
- Windows95の発売などインターネットが個人レベルに浸透し始めていたものの、金融業界は米国から5年遅れていた
- 日本の金融業界は護送船団方式により競争が制限されていた
- 株式売買委託手数料が1999年10月に完全自由化され、各社が手数料を自由に設定できるようになった
そんな状況下で北尾会長が設立したSBIグループ。証券投資の大衆化に向けて、金融分野のインターネット革命を推進していきます。
SBIがこれまでに行ってきたこと
- ファンドの格付けを行い、素人でも実績が分かるようにした
- モーニングスター社と提携し、各ファンドを⭐️の数で評価することで、実績がよいファンド選びを容易にした(現在は提携解消)
- 国内株式、NISAでの米国株式&海外ETFの売買手数料の無料化(ゼロ革命)
- 2023年9月30日から国内株式の売買手数料を無料化
- 2024年1月1日からNISA口座での米国株式・海外ETFの売買手数料を無料化
- ゼロ革命により158億円の収益を失った(会社試算)が、2024年3月期は増収
- 複数の取引市場から最良の条件で取引を執行するシステム(SBIクロス)
- 証券会社の取引システムを利用することで、東証がほぼ独占する証券取引市場に一石を投じる
- より有利な価格での約定機会が増加し、価格改善効果の向上が期待できる
出所:https://s.sbisec.co.jp/smweb/pr/gaccnt.do?page=domestic_info_sbi_cross
SBIグループの経営理念にも、「正しい倫理的価値観」「社会的責任を全うする」とあります。「金融サービスを一般市民のものとする」ための様々な施策が、きちんと経営理念とリンクしているように感じます。
当日言及されていたのは上記の内容でしたが、証券事業に限らず、銀行、保険分野などでもたくさんの施策を打ってきたのだと思います。
「なんで73歳になってここまで規制と戦わないといけないのか。静かに余生を過ごしたいし、99歳の母親の面倒も見なあかん。」と本音らしき言葉がこぼれた際は、会場から笑いも起こっていました。
SBIの現在
25年を経た現在のSBIグループの状況としては、
- 顧客基盤はグループ全体で約5000万件
- 特に証券口座はここ15年ほどで13倍に増加。他の対面証券会社は1.5~3倍ほど。
- 銀行、証券、保険などの主要な金融事業を揃える
- 各事業間の関連性が高いため、相互作用による相乗効果を生む
となっています。
今後もますます成長が期待できます。
SBIのこれから
最後は今後の戦略についての説明でした。
- 第4のメガバンク構想
- SBI新生銀行を三菱UFJ、みずほ、三井住友に次ぐ第4のメガバンクに育てていく
- 海外事業の強化
- 将来的には連結税前利益の20~30%を稼ぐ目標
- 海外事業を統括する人材をこれからスカウトする
- 「日本経済の衰退を食い止めようとするための方策」
- 地方創生…半導体産業へ進出し、宮城県に半導体製造工場を建設
- 個人金融資産の活用…個人資産の50%以上を占める現預金を投資に向かわせる
後半はインフォメーションミーティングと重複する内容も多かったため、気になる方はこちらもご覧ください。
参加してみて-接触頻度を増やすことで、握力が高まる
今回のイベントに参加したことで、SBIグループがこれまに行ってきたこと、これから行いたいことがより理解できるようになり、将来への期待も高まりました。
業績などの数字も大切ですが、それだけでは分からない経営陣の人柄、今後に対する見通し、そして自信などが、長期保有への握力を高めてくれます。
その意味でも株主向けイベントには今後もできる限り参加していきたいです。
※あくまでも個人の見解であり、判断根拠とした情報が間違っている可能性もあります。投資は自己責任でお願いします。
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